2022年9月議会一般質問議会-加藤英泉

1保育問題

1.みさと市幼児教室風の子園の閉園について

 ア.特徴的な幼児教室を閉園する理由について

 イ.他保育施設からの入園希望者や入園拒否された子どもの受け入れ先について

 ウ.長寿命化計画に基づく園舎の改善を行わない理由及び建替えについて

 エ.風の子園の移転建設について
 
 
2困窮者支援問題

1.フードパントリーについて

 ア.みさと子育て応援フードパントリーの課題と要望について

△加藤英泉議員

 

○議長(武居弘治議員) 通告第8、15番、加藤英泉議員。
〔15番 加藤英泉議員 登壇〕

 

◆15番(加藤英泉議員) それでは、通告に従い、順次質問をさせていただきます。
1、保育問題、1、みさと市幼児教室風の子園の閉園について。
風の子園の成り立ちと経過については、昭和48年、みさと団地の入居が開始されたのに伴い、子どもに遊び友達が欲しいと願った母親たちが、「3歳児の仲間づくり」と名づけて呼びかけをしたのが幼児教室の始まりで、その後、幼稚園不足によりできた「4・5歳児の子ども会」などと合流し、自治会の協力の下に、市に要望を重ねた結果、みさと団地内に市が公団より土地を借り、建物を提供し、昭和50年4月に第一幼児教室の園舎が完成しました。
その年に入園希望者が殺到し、全員が入園できない事態になり、入園できなかった八十数名の父母が第二幼児教室の開設運動を始め、多くの方々の支援と協力で、その結果、昭和51年5月にみさと団地内に園舎が完成し、第二幼児教室を開設しました。
この間、昭和51年1月には、当時の市長、教育長、自治会長、公団、保護者の話合いの結果、公設民営の構想が生まれ、自主運営の形態が市長をはじめ参加者により確認されました。
平成4年1月、第二幼児教室が園舎老朽化のため、現在のさつき平の地に三郷市が新園舎を建設し、移転しました。
平成12年4月、幼児教室を取り巻く環境の変化を考慮し、子どものためを考えた保育を三郷の地に残していくために、第一幼児教室と第二幼児教室風の子園は「みさと市幼児教室風の子園」として1つになりました。
令和元年には、幼児教育・保育の無償化に伴い、幼稚園類似施設の風の子園も無償化給付の対象となりました。そして卒園児も2,361名を数え、現在に至っているわけですが、建て替えや移転することなく、令和7年度末をもって、理不尽にも閉園に追い込まれようとしています。
そこで、ア、特徴的な幼児教室を閉園する理由について。
子どもを取り巻く環境も大きく変化し、その様々な変化を感じる中で、子どもたちのことを常に考え、子どもたちの園生活を見守り、子ども一人ひとりが伸び伸びと個性豊かに成長するよう、それぞれの伸びる力を信じ、大切にし、一年中はだしで開放的な遊びを通して、生活、自然体験を豊かにし、自分で考え、行動できる子どもに育つことを目指し、「待つ保育」が実践され、市内外の幼稚園、保育園からもうらやましがられております。
このように、50年近く続き、画一的でない、ほかにはない多様性を先行く特徴ある幼児教室をあえて閉園に追い込む理由はどこにあるのか、お伺いいたします。
次に、イ、他保育施設からの入園希望者や入園拒否された子どもの受け入れ先について。
幼児教育風の子園は、子育てにおいて孤立しがちな保護者にとっても、預けてお任せの画一的な保育施設でなく、保育者も保護者も全て幼児教室の会員になり、子どもを真ん中に、保育者と保護者が協力して共に育て合う環境になっており、そのため保護者の選択と風の子園に入園を希望する子どもも多く、また、心身に障がいがあったり、その疑いのある子どもはほかの施設では保育場所が隔離される傾向があったりしますが、それ以前に入園、入所受付や受入れを拒否されたりすることがありますが、風の子園ではそれを受け入れ、差別なくほかの子どもたちと一緒に保育され、役目をしっかり果たしていますので、市としても計り知れない恩恵に浴しているものと思います。
風の子園がなくなった場合、市内外の施設で入園、入所を断られた子どもたちの受入れについて、市はどのようにお考えか伺います。
ウ、長寿命化計画に基づく園舎の改修を行わない理由及び建替えについて。
市の建物等は耐震と長寿命化計画に基づいて工事が行われておりますが、風の子園は公設民営ではありますが、それらの計画が全くありません。安心・安全を標榜する三郷市です。少子化の中、大事な子どもを収容する建物の市としての修繕計画がないのはなぜなのか。また、修繕計画がないのであれば建て替えをお考えなのか、お伺いいたします。
エ、風の子園の移転建設について。
瑞木小学校の西側にある当初は消防署建設用地とされていて、諸般の事情で当地における消防署の建設は行われず、現在も空き地となっておりますが、風の子園の閉園が老朽化によるものということであれば、ここに風の子園の移転を考えてもよいのではないかと思いますが、お考えをお伺いいたします。
2、困窮者支援問題。
日本の子どもの13.5%、7人に1人が貧困であると言われております。厚生労働省の調査では、ひとり親世帯の平均所得は305万円と、夫婦で子どもを育てる家庭の745万円の半分以下で、その子どもの6割は「毎日の食事が給食だけ、晩ごはんをいつも1人で食べている、経済的な理由で修学旅行にも行けない、部活動にも参加できない、塾に通えず進学のチャンスが狭められてしまう」など、当たり前と思われる生活が営めない厳しい状況に置かれています。
子どもの貧困は、ヤングケアラーとともに、見えにくいために気づくことができず、見過ごされてしまいがちで、子ども自身が「助けて」と声を上げられず、子どもたちが苦しい生活の中で未来への希望や夢、自己肯定感などを失っていくことが心配されております。
その困窮者支援策として、1、フードパントリーについて。
子ども食堂がスタートしてしばらくたちますが、その子ども食堂に「本当に来てほしい子どもたちがあまり来ない」という現実が浮き彫りになりました。「貧しい子どもと見られたくないという誤解があるのではないか」ということがうかがえたことで、それでは場所を決めて食品を取りに来てもらえば来やすいのではないかということで、子ども食堂や学習支援等の子どもの居場所づくりに取り組む団体などが中心となって、住民の身近な地域に「食品の配布場所を設置し、ひとり親家庭や生活困窮者など、生活に困っている人を対象に食品を無料で配布する活動」としてフードパントリーが始まりました。
フードパントリーは、誰もが食に困ったときに無償で食の支援が受けられ、配布する食品は、主にフードバンクに集まるもったいない食品や、フードドライブで集まった家庭で余っている食品、地元企業や農家などから提供を受けた食品などで、これは食品ロスに寄与すると同時に、地域で課題を抱えた家庭と「顔が見え、直接つながるきっかけ」となる活動で、生活困窮世帯の人たちが自由に持ち帰りできます。
このように、フードパントリーは地域で課題のある対象世帯と顔の見える関係でつながることで、困窮世帯の自立を支援することを目的としております。三郷市のフードパントリーも会員になっておりますが、埼玉県でも「子ども応援ネットワーク埼玉」が発足し、4月現在、わずか2年半でフードパントリー団体や利用者が急増し、30市町、加盟60団体、利用者が3,500世帯と、ひとり親家庭に対する支援が新しいステージに入りました。
そこで、ア、みさと子育て応援フードパントリーの課題と要望について。
現状として、当初、「みさときっず食堂」を立ち上げ、しばらく運営をしてきておりましたが、来てほしい本当に困っている子どもたちが来ず、食中毒が発生した場合に、協力してくれる調理場所のお店に迷惑がかかるなどがありましたので、新型コロナウイルス感染拡大を機に、「みさと子育て応援フードパントリー」と名づけ、フードパントリーにかじを切りました。
その中で次の課題があります。不定期であるが、平日の日中に食品等の寄贈品の引取りに行く機会が多く、運営協力団体に引取りを分散し依頼をしているものの、人手不足で大きな負担となっていること、開催日前日など、食品等の仕分けや袋詰めに人手不足で大きな負担となっていること、食品の取扱量拡大に伴い、保管場所や保管用倉庫の確保の必要性、食品を運搬するための車両等の賃借料やガソリン代の負担増があり、冷凍や生鮮食品の保管のための冷凍・冷蔵庫の確保の必要性、光熱費や人件費、配送費などの固定費等、経費面の課題があり、市民の善意と努力への依存だけでは持続可能性に大きな問題となっております。
このため、フードパントリーを運営する活動団体の事業継続を図ることを目的に、備品購入費、報償費、使用料または賃借料、食材費、光熱水費などの需用費、保険料、通信費、運搬費等の役務費が各自治体から補助され始めており、北区ではフードパントリー支援事業補助として、補助金の上限90万円、足立区ではフードパントリー運営団体支援事業補助として、補助金の上限額50万円の交付や、冷蔵庫・冷凍庫の購入補助金10万円の交付をしております。
三郷市においては、子ども食堂や学習支援等の「子どもの居場所」づくり推進事業として、今年度、報償費として12万円を含む13万6,000円の予算が計上されておりますが、時は子ども食堂からフードパントリーに、三郷市においても事業継続を図るために、喫緊の課題でありますフードパントリー支援補助金等の給付を要望させていただきます。
1問目を終わります。

 

○議長(武居弘治議員) 加藤英泉議員の質問に対する答弁を求めます。
梅澤十三男生涯学習部長。
〔梅澤十三男生涯学習部長 登壇〕

 

◎生涯学習部長(梅澤十三男) 私からは、加藤議員の1、保育問題の1、みさと市幼児教室風の子園の閉園についてのアからエにつきまして関連がございますので、一括してお答えいたします。
みさと市幼児教室風の子園は、昭和50年代の人口急増期に幼稚園待機児童解消のため、公立幼稚園設置まで暫定的に設置された公設民営の幼稚園類似施設でございます。施設用地と建物を市が提供し、保護者を中心とした組織体制で47年間運営が行われております。
風の子園の幼児教育では、どろんこ遊びや水遊びなど、自然と関わる豊かな経験を大切にしており、この幼児教育を子どもたちに受けさせたいと考える保護者からの一定のニーズがあることは認識をしております。
幼児教育・保育無償化制度では、風の子園は当該制度の対象外の施設でございましたが、市では国による無償化制度の開始に合わせ、令和元年10月から無償化制度の対象施設と同水準の利用料の補助を独自の施策として行ってまいりました。
風の子園における運営上の課題といたしましては、子どもたちにとって安全・安心な施設運営、安定的・継続的な運営の担保、組織の確立がございました。具体的には、危機管理マニュアルの策定や保護者が短期間ごとに園の代表・副代表を務める運営体制の改善、組織の法人化などの検討や改善を行ってまいりました。
また、令和元年頃から市と風の子園は、開設当時から変化している社会情勢や園舎の老朽化、自主運営の可能性やNPO法人化など、将来の運営の在り方を話し合ってまいりました。併せて、幼児教育・保育無償化対象施設への移行に向けても、様々な課題や解決への手法について協議してきたところでございます。
このような話し合いを進めている中、市の方針として閉園を決定したものではなく、風の子園の代表から、令和3年10月13日に開催された臨時総会において、令和7年度末で閉園するとの決議がなされた旨の報告が文書にて三郷市教育委員会教育長宛てにございました。
以上でございます。

 

○議長(武居弘治議員) 須賀加奈子ども未来部長。
〔須賀加奈子ども未来部長 登壇〕

 

◎子ども未来部長(須賀加奈) 私からは、2、困窮者支援問題の1、フードパントリーについてのア、みさと子育て応援フードパントリーの課題と要望についてお答えいたします。
「みさと子育て応援フードパントリー」の活動につきましては、市におきましても、市民や企業からの食材の寄附のお申出とのマッチング、保管場所の確保に向けた調整、市職員を対象として実施したフードドライブにより、集まった食料や日用品を提供するなどの支援を行ってまいりました。
令和2年度には、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、安全・安心な運営を継続することに係る緊急支援として、フードパントリーを含む「子どもの居場所」運営団体に対し、補助金による助成を行った経緯がございます。
現在も、国・県または企業等による補助制度など、支援の情報を収集し、随時、運営団体に提供するとともに、申請に際しての支援等を行っているほか、市ホームページや「広報みさと」、ポケットみさと、メール配信などを活用いたしまして、フードパントリーを含め、子ども食堂や親子サロンなどの活動を紹介するほか、食材や冷蔵庫などの物品、開催場所や保管場所の提供、また、ボランティアの募集など、運営支援についても広く呼びかけを行っているところでございます。
今後も引き続き、活動団体の多様性や地域の主体性を尊重しながら、運営団体と連携を図り、よりよい運営が行えるよう対話を重ね、活動支援に努めてまいります。
以上でございます。

 

○議長(武居弘治議員) 加藤英泉議員の2問目の質問を残して、暫時休憩いたします。

 

△休憩 午前11時58分

 

△再開 午後1時00分

 

○副議長(佐藤睦郎議員) 再開いたします。休憩前に引き続き会議を開きます。
加藤英泉議員。

 

◆15番(加藤英泉議員) それぞれご答弁ありがとうございました。
まず、フードパントリーにつきましては、人と人のコミュニケーションの上に成り立つ感動があります。また、貧困が私たちのすぐ隣にあることを気づかせてくれます。貧困の解消、生活困窮世帯の解消のための活動に、市のご支援、特に需用費と役務費を重ねて要望させていただきます。
次に、風の子園の閉園について、私の質問にほとんど答えられておりませんでしたが、今後の展開次第では、また後日、再度質問することがあると思います。
本日の答弁の中で、「市の方針として閉園を決定したものではなく、風の子園側より閉園する旨の報告があった」ということでした。風の子園側に確認しましたら、そういう報告をしたことは間違いないが、閉園は全く本意でなく、翻意を促されてそうなってしまったということが正直なところだということであります。
その経緯につきましてお話ししますと、市と園舎の老朽化や運営の在り方について協議をしている中で、老朽化については大和ハウス工業の見積りで、修理すると3,500万円かかる、建て替えると2億5,000万円かかるが、金がないのでできないと言われ、この建て替えの金額について、父兄の中に建設関係のかたがおられ、「あまりにも高過ぎるので知り合いの会社に見積りを頼もうか」と言ったら、「見積りを取らないでくれ」。あるいは、「風の子園に市税を投入するのに市民の理解が得られないとか、得られるかどうか分からない」、そういうこともあり、また、「議員には頼らないでくれ」と。「それでは、署名活動をして市長に要望したらどうか」と言ったら、それも「やめてくれ」。園児の募集については、「令和7年度末で閉園になると、新規に募集しても3年保育の中で2歳児は卒園できなくなるが、残り1年については転園等に風の子園は責任を持てるのか」などと言われ、これもだめ、あれもだめで、当時どこにも相談のしようがなく、追い詰められて、やむを得ず昨年10月に閉園の決議をし、報告をしてしまったということでございます。
これは、女性だけの職場だけに、子どもたちのことを考えると怖くなってしまったという、私も大きな声を出したということでおとがめがありましたが、私のことよりもっとひどい、これはいじめではないですか。
課題であった運営体制については、1年交代だった園の代表は複数年制になり、法人化についても、NPOを選択肢に近々に改めて臨時総会を開催し、継続して運営をしていく旨を市のほうに報告するとのことですが、公設民営を基軸に、ほかの保育施設よりも多様性を発揮した運営で、園児やご家族、父兄にとってもかけがえのない施設であります。ほかの保育施設よりも1日でも長く残さなければならない、三郷市が誇れる特徴ある保育施設であると思います。
現在、人口の伸びている自治体の特徴は、小・中学校の給食費用無償化、18歳まで医療費無償化、子育て、幼児教育の充実があります。三郷市の子育ての評判のためにも、閉園することなく、大修繕、建て替え、もしくは移転について要望をさせていただきます。
最後にお聞きしますが、風の子園がなぜ閉園しなければならないのかと聞きましたら、「近年の少子化の中でその役目が終わったから」という発言がありました。これを聞いて、つい大きな声になってしまいましたが、その発言の真意はどこにあるのか。また、これは何なのか。答えられるかた、どなたでも結構ですので、最後に質問とさせていただきます。お答えください。
この風の子園につきましては、障がいのある子どもを持つ親御さんからお話がありました。普通のところですと、保育士1名に障がいのある子が2名とか、そういう形で保育され、また場所も隔離されておるのですけれども、風の子園であると、子どもたちと一緒に遊ぶようになって、あまり表情を出さなかった子どもが心の底から本当に笑っている、そういう笑顔が出てくるようになったということで、私たちも救われています。そういう親御さんがおられました。ぜひ風の子園を残していただきたい、よろしくお願い申し上げます。
以上で質問を終わります。

 

○副議長(佐藤睦郎議員) 加藤英泉議員の2問目に対する答弁を求めます。
梅澤十三男生涯学習部長。
〔梅澤十三男生涯学習部長 登壇〕

 

◎生涯学習部長(梅澤十三男) 加藤議員の再度のご質問にお答えいたします。
「近年の少子化でその役目が終わったから」という発言の真意はどこにあるのかというご質問でございますが、1問目でも答弁させていただきましたとおり、自然と関わる豊かな経験を大切にする風の子園の幼児教育には、一定のニーズがあるということは認識しております。
しかしながら、設置当初の目的は達成されていることから、建て替えや移転等に多額の公費を投じることにつきましては、大きな課題があるものと考えております。
なお、他の保育施設で入園拒否された子どもの受け皿がなくなるとのご懸念でございますけれども、こちらにつきましては、事実確認は難しいところではございますが、関係部署とも連携をし、まずは現状の把握に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

○副議長(佐藤睦郎議員) 以上で加藤英泉議員の質問を終わります。

 

 

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