2019年12月議会一般質問議会-加藤英泉

1まちづくり問題
1.新築時や建て替え時の基礎部の嵩上げによる被害軽減について
2.道路幅員4.5mの確保について
3.角地の隅切りの義務化について
4.市街化調整区域における塀や囲いなどの外構の後退について

△加藤英泉議員 
○議長(菊名裕議員) 通告第14、17番、加藤英泉議員。
〔17番 加藤英泉議員 登壇〕
◆17番(加藤英泉議員) おはようございます。議長よりお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。
去る11月19日、20日の2日間にわたり、21世紀クラブ有志で、議会運営における質問のあり方の研修と乳幼児の子育て支援と幼児教育に取り組んでいる京都市子育て支援総合センターの施設に行ってまいりました。その一端を報告させていただきますと、研修については、北海道から沖縄までの自治体の議員や事務局員等40名の出席がありました。最後にグループに分かれての30分のディスカッションがありました。
その発表内容を申し上げますと、議会中のインターネットの中継やケーブルテレビによる配信が6割なされている。タブレット端末使用が約5割、それから議会だよりの氏名記載はほとんどの自治体で行われ、一般質問に関しては一問一答が3割の自治体で行われ、再質問、再質疑が3回までできる等々のお話がありました。
また、常任委員会に対する所管部署の報告会が毎月あり、それを報告会当日協議するという自治体もありました。そして、ある自治体では3期生までの議員が8割を占めるに至ったことによりまして、残る2割のかたも前例、慣例、あるいは申し合わせ、そういう体質は全く無視されたために、おのずと変わらざるを得なかったという議員もおられました。
ディスカッションの発表を聞いているだけでも、三郷市議会がいかにおくれているか、討論の場に加わっているのが恥ずかしいものがあり、発言もちゅうちょせざるを得ませんでした。議会はどこまでいっても市民のものであり、目まぐるしく変化する日常に対応するためにも、議会改革は必須であり、議員一人ひとりの意識改革とその善良な行動が、低投票率に象徴される市民の投票行動に少なからず影響を与えるものと思います。
それでは質問に入ります。
1、まちづくり問題。
9月9日の台風15号、10月12日の台風19号、10月25日の台風崩れの大雨と、たび重なる自然災害により、多数の災害が発生いたしました。これら3つの災害による河川の氾濫や土砂崩れ等による死者、行方不明者は100名を超える犠牲を出し、床上・床下浸水が8万4,383棟、水没した車も20万台を超える被害がありましたが、幸いにも三郷市においては、さしたる被害もなく、また久喜市栗橋以南の江戸川沿いの地域も、松伏町の一部で道路冠水はありましたが、その他報道で伝えられるような被害もなく、過去の災害の教訓を得た先人たちのなした事業では、首都圏外かく放水路が1,200万トン、そして報道では伝えられておりませんが、三郷放水路は外かく放水路の3倍の3,600万トンを江戸川に放流し、その存在感と安心感を高めました。災害対策事業の成果に感謝と敬意を表する次第であります。
そして、三郷市においては、動物の同行避難や避難所の環境等の課題を残したものの、無事に乗り越えた避難所の運営や排水ポンプ場等に対し、長時間にわたり対応に当たられました職員各位においては、大変お疲れ様でありました。これらの教訓をもとに、市民の皆様が安全に、そして快適に安心して暮らせるように、まちづくりについて提案や要望をさせていただきます。
1、新築時や建て替え時の布基礎の嵩上げによる被害軽減について。
被災地では、今回の災害でも床上・床下浸水被害は、人々の平穏な生活を奪い、再建は遠く、日常を取り戻すまでに相当な時間を要しております。また、今回の被災による災害廃棄物は、東日本大震災の量を超え、これら廃棄物の処理も難航しております。このような床上・床下浸水被害の処理には、人的にも費用的にも私的負担はもちろん、手厚い公的負担も莫大なものになってきております。
三郷市における災害対応は高度なものになりつつあるとはいえ、いつ何時何が起こるかわかりません。浸水被害があった場合、その程度や地域にもよりますが、現在ではカスリーン台風並みの被害は考えにくいものがあります。しかしながら、水害ハザードマップを見る限りにおいて、対応、対策により、床上浸水被害は軽減、または防止することがかなりできると思いますので、住宅の新築や建てかえ時における布基礎のかさ上げを提案させていただきます。
布基礎の高さは、現行では45センチから65センチ程度が多いと思われますが、これにプラス30センチ以上高くして、これに土台部分を合わせますと、実質床上1メートルを確保できます。確認申請の際、布基礎を30センチメートル以上かさ上げし、土台までの高さ1メートルを確保するよう指導することで、災害があった場合、被害軽減を図れることで、公私ともに負担も軽減できるものと考えます。
2、道路幅員4.5メートルの確保について。
道路は、車両の相互通行や緊急車両の通行にも安全を確保しなければなりません。現行幅員は最低4メートルですが、4メートルですと、U字溝の設置の義務づけの関係もあり、狭く感じますし、U字溝の上を歩くことや車で走ることは若干の抵抗もありますので、0.5メートル道幅を広くすることで、歩行者にとっても安全が確保でき、車の運転手にとっても広さを意識せずに安心して通行ができ、特に災害時には緊急車両の通行には一定のスピードも要求されます。
このことから、市内における土地の開発や分譲の際には、道路幅員を最低4.5メートル以上とするよう指導し、現状では縛りもありませんので、協力を得るしかありませんが、少子高齢化社会に対応した対策を講じる必要も大事なことと思います。
3、角地の隅切りの義務化について。
道路の幅員が4メートル未満の狭い道路、細街路をみんなが使う道路として確保する細街路整備事業も、地主の方々の理解も得られ、実績も出てきて道路の環境整備も進んできておりますので、さらにこの事業を推し進めていただきたいと思います。
他方、土地の開発や分譲においては、幅員4メートルの道路が多いことから、先ほどの道路幅員4.5メートルの確保とともに、災害時に緊急車両の円滑な通行を図る目的で、隅切りを義務化することも考えなければならないと思います。
そして、幅員4メートルの既存の道路においても、角地の場合は隅切り用地の2平方メートルの積極的な買い上げと整備を行い、売り主には細街路整備事業並みに固定資産税評価額の5分の1にその面積を乗じた価格の補助を行ってもよいのではないかと思います。
次に、4、市街化調整区域における塀や囲いなどの外構の後退について。
市街化調整区域には、残土置き場や資材置き場、産業廃棄物置き場、作業場などが多くあり、とりわけインター西部地区に集中しておりますが、これらは総じて高い塀や囲いを設置しております。市街化調整区域の道路は路肩がなく、道幅も狭く、未舗装など、道路事情がよくないところが多いことに加え、敷地いっぱいに塀や囲いが設置されて、行き交うダンプカーなどの大型車とのすれ違いには、よける場所が少なく、歩行者や自転車のみならず、乗用車の通行でも大変危険を伴っております。
この危険を除去し、事故防止、安全性を確保し、市民の身を守る点から、3点、提案、要望をさせていただきます。
1つは、塀や囲いを設置する場合は、道路境界から0.5メートル後退させること、これにより、歩行者や自転車等の通行の際にもよけるスペースが広がり、より安全が保たれます。
2つ目は、塀や囲いのところどころに目透かしを設け、敷地内からも外の安全が確認できること。
3つ目は、敷地が角地の場合は隅切りを設け、これに従い塀や囲いを設置し、なおかつ場所によりまして、丁字路、十字路にはミラーを設置すること。これら既存のものについては義務づけを念頭に協力を要請し、今後出てくる案件については、これら義務化と規制を強化し、農業委員会との連携を密にして、農地転用申請からしっかりと審査、監視し、違反には許認可取り消しなど強い姿勢で臨むべきであります。
三郷市発展を考えた場合、インター西部地区は交通の要衝にあって、市民のためにもいち早く常識的にも開発されるべき地域でありながら、乱開発にさらされております。
そこでお尋ねいたします。
残土、資材、産業廃棄物などの置き場や作業場が何でこのようにふえるのか、あるいはふえてしまったのか。また、許認可条件と違い、変更され使用されていることを知ったときは、使用中止などの措置をとるなどをしなければなりませんが、どのように対応してきたのかお答えいただきたいと思います。
以上で第1問目を終わります。
○議長(菊名裕議員) 加藤英泉議員の質問に対する答弁を求めます。
松本義博まちづくり推進部長。
〔松本義博まちづくり推進部長 登壇〕
◎まちづくり推進部長(松本義博) 加藤議員のご質問に順次お答えいたします。
初めに、1、まちづくり問題の1、新築時や建て替え時の基礎部の嵩上げによる被害軽減についてでございますが、台風などによる浸水被害に対して、各個人ができる対策といたしましては、ご提案いただきました建築時に基準以上の基礎のかさ上げを行うことは、被害軽減のための有効な方法の1つと理解しております。
建築基準法では、基礎の高さについて、地上部分で30センチメートル以上と規定されておりますが、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた長期優良住宅では、より高い基礎高となる40センチメートル以上と規定されております。これにより一般的な基礎の高さは、布基礎の場合で約45センチメートルから65センチメートル程度となっておりますが、この長期優良住宅を普及させることで、より基礎の高い住宅がふえ、被害の抑制にもつながるものと考えております。
規定以上の基礎の高さの確保につきましては、基礎部かさ上げの設計の際には、基礎高に対応する段差解消、道路斜線や日影規制への配慮が必要となりますが、建築主や設計者に対し、長期優良住宅制度や水害ハザードマップによる浸水想定を踏まえ、立地条件等を総合的に判断して、被害軽減につながる建築設計を行っていただけるよう、窓口等での対応に努めてまいります。
次に、2、道路幅員4.5メートルの確保についてでございますが、新たに築造する道路幅員につきましては、都市計画法に基づき、原則幅員4メートル以上と定められております。しかし、窓口等での協議により、事業者が基準以上の道路整備を行っていただいている事例もあり、幅員4.5メートル以上の道路が新設された開発許可の件数は、平成26年度から平成30年度の過去5年間で27件となり、実績として全体の約4割に当たります。
今後も引き続きよりよいまちづくりに配慮した開発計画となるよう、事業者の協力を求めてまいります。
次に、3、角地の隅切りの義務化についてでございますが、市では幅員が4メートル未満の市道の後退用地を市に提供していただけるかたに対し、分筆測量費用などの一部を補助する細街路整備事業を実施しており、角地に該当するかたへの隅切り用地の提供を義務化しております。
また、開発行為に伴い、新たに築造される道路の隅切りにつきましては、都市計画法に基づき、道路幅員などに対応した両側隅切りの設置が義務づけられております。
一方、既存道路につきましては、新築や建てかえ時の機会を捉え、建築主への協力を呼びかけるなど、道路管理者を初め、関係機関と連携し、隅切り確保についての理解を求めてまいります。
最後に、4、市街化調整区域における塀や囲いなどの外構の後退についてでございますが、塀や囲いの設置につきましては、法令等の規制が届かないケースが多いことから、市では資材等の堆積など、建物が立地しない土地利用であっても、景観法に基づく三郷市景観計画の届け出による手続きを求めております。
資材置き場等に設置される障壁については、景観形成基準の運用の中で、外部から中が一部見えるように工夫していただくよう、事業者へお願いをしているところでございます。
事故防止安全性確保を目的とした外構の後退や隅切りにつきましては、道路管理者を初め、関係機関と連携を図り、敷地外周部分に緑化を求めるなどの誘導ができるよう努めてまいります。
議員ご質問のインター西部地区において、残土、資材、産業廃棄物などの置き場がふえる理由はにつきましては、三郷インターチェンジ周辺の交通利便性が高いことから、土地利用を図る権利者が多くなってきております。
また、農地として利用されていた土地が駐車場等への農地転用許可後に周辺環境に影響を与える土地利用が新たに図られるケースもあることから、農業委員会を初め、関係各課と連携を図り、適正な土地利用が誘導できるよう努めてまいります。
議員からのご提案につきましては、課題として認識しており、市民のかたや事業者のかたへの負担増加など難しい面もございますが、今後も引き続き、良好な環境のまちづくりに向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(菊名裕議員) 加藤英泉議員。
◆17番(加藤英泉議員) ご答弁ありがとうございました。久しぶりにいい答弁を聞いたなという思いがいたしますけれども、常識的とは思いますけれども、ぜひとも進めていただきたいというふうに思います。
このかさ上げにつきましては、今回、三郷市は水が上がったというところは少なかったんですけれども、カスリーン台風のときは完全に沈んでしまったという状況が各地であったわけですけれども、ハザードマップを見る限りにおいては、今はそこまではいかないとは思います。
被害を見ていますと、水が床上まで来てしまっていると、生活ががらり変わってしまいますので、床下ぐらいまでだったら、まだそんなに生活は変わらないと思うんですけれども、その辺の状況がテレビでしょっちゅう見かけられますので、そういう被害に遭わないように、ぜひかさ上げは推奨していただきたいなと思います。
今回、議会、大変短かったのでありますけれども、議会というのはどこまで行っても市民のものであります。市民のために、市民の意思を決定する合議制の機関であります。そんな中、今議会で感じたことは、答弁で調査研究というのがちょっと多過ぎやしないかなというふうに思いました。我々質問するほうの立場もあまりよくないものもあるのかなと思います。
隣の首長がこういうツイッターをしています。役所の中の窓口で問い合わせて答えられるものは一般質問でしないでほしいと。これは隣の首長がツイッターできのうつづっているということであります。我々もこれは注意していかないといけないんだなと思います。
中には過去の議事録をたどったりめくったりということで、一生懸命勉強されているかたもたくさんおられます。ひとつ答弁については、将来的にこれを役所的にも次の議会に提案しようかとか、議案で出そうかとか、そういうものもあろうかとは思うんですけれども、もしそういう意見が一致しているものであれば前に進むわけですから、ぜひとも正直に答弁をしていただきたいなというふうに思います、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
以上で再質問を終わります。よろしくお願いします。
○議長(菊名裕議員) 以上で加藤英泉議員の質問を終わります。
以上で市政に対する一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
△休憩 午前10時45分
△再開 午前10時50分
○議長(菊名裕議員) 再開いたします。休憩前に引き続き会議を開きます。
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